![]() 自分の夢である歌手を目指しながら、芸能プロダクションの営業を担当する愛美。うまくいかない仕事と、程遠い歌手の夢。仕事に、 レッスンと、日々精進してきた愛美の耳に朗報が入る。歌手として、契約したいというレコード会社が現れたのだ。早速、契約の為に 足を運ぶ愛美だが、そこで出された契約書には法外な値段の書かれた請求書。ずっと信頼していたレッスン講師に騙された愛美。 深く心に傷を負った愛美のお腹に3ヶ月の子供がいることが発覚する。今の自分にはとても生めないと決断し、中絶を希望する。し かし、どこの病院の医師も、3ヶ月以上は堕胎できないとの宣告。路頭を彷徨い、両親に相談するも、父からは激怒され、行き場を 失った愛美。そんな中、中絶を許可する一人の医師が現れる。それは、中絶ではなく、薬で出産を誘発させ、生むという形をとり、 その後、規則に従い埋葬するという方法であった・・・人間の儚さ、虚しさ、物事の流転していく様を描いた衝撃の問題作! ![]() 私は、この作品を制作するにあたって、70人以上の人達と交換日記をし、さらに数十人の人達に同じ質問をぶつけた。その質問とは、 「あなたの人生において、最も衝撃を与えた事はなんですか?」「あなたの人生において、もっとも影響を与えた出来事は何ですか?」 というものだ。皆の意見を、読んでみて、聞いてみて、私が感じたことは、やはり人間は普段接しているだけでは計り知れないものを それぞれ背負っているということ。それと、気ずいたことは、この質問に対しての答えは、大きく分けて3つのキーワードのいずれかに 当てはまるものが多かった、ということだ。3つの内の1つ目のキーワードは、「生と死」について。2つ目のキーワードは、「家族」につ いて。3つ目のキーワードは、「愛(LOVE)」についてだ。私は、この3つのキーワードは、いつの時代にも適合する、不変的なものだと 感じた。そして、この3つのキーワードを勝手に、人間の三大原則とし、「Shogyo 無 Joe」のテーマとして映画を作ってみたくなった。そ こでできたのが、「生と死」については、愛美をめぐる物語。「家族」については、少し偏ってはいるが、舞と奈美の姉妹の物語。 「愛(LOVE)」についてはこれも偏っていると言う人もいるだろうが、ハタケとトクさんの物語。それぞれの人達が、様々なバックグラウ ンドをしょって生きているのだ。しかし、私達は、他人の表面的な部分しか見れず、人と接している。そんな人間達が集まり重なって 「社会」ができているのも事実である。しかも、この事実もいつの時代にも当てはまるのだ。そして、人間は同じ事を繰り返す、と感じた。 本編中、愛美がしっかりと現実を見ず、嫌な事、面倒臭い事から逃げてると一気にしっぺ返しが来て、苦しく辛い目にあうのに、その時は、 これではいけない、変わろう、変わらなくてはいけない、と思うのだが、そんなに簡単に人間は変えられない。というのも、人間が同じ事を 繰り返すという一部分なのではないだろうか。その他、人間の儚さ、虚しさ、物事の流転して行く様(特に人間社会において)を表現してみ たかった。そう、まさに「諸行無常」である。 ![]() ![]()
PHOTO By Hidemi Otsuka |
